自衛隊記

陸上自衛隊幹部候補生学校の「藤山武装障害走」は世界一過酷?

陸上自衛隊の幹部候補生学校の伝統行事として武装障害走があります。
僕が学生だった頃、教官から、世界一長く過酷なコースとして教えられました。

実際にこのコースで走ってみたところ、辛いどころか、脳汁(エンドルフィン)がドバーっと大量に出てくるコースだと改めて認識しました。

一応、僕はフルマラソンやトライアスロンに出場経験がありましたが、それより過酷だったことはまず間違いありません。

ちなみに、この武装障害走は、あくまでも戦闘行動の一環として訓練しています。
なので、戦闘服プラス武装しつつ、藤山射場地区の自然の地形と基本射場を利用した応用障害走路を克服し、激動下で戦闘行動(射撃、手りゅう弾投擲)を実施しなければなりません。

併せて、初級幹部に必要な総合的な戦技能力及び体力・気力を練成するという目的があります。

その観点から、当時の教官から陸上自衛官の幹部らしく、ゴールしてもその場でへたることなく、しんどくても、きつくても、清々しい顔をしろ!
などと言われました。これを通称「剛健ゴール」と呼んでいました。

そんな藤山武装障害走の狙いは以下の5点です。
1.旺盛な体力・気力及び正確な障害克服能力の向上
2.障害物を克服する沈着冷静な判断力及び集中力の向上
3.激動後の小銃実弾射撃及び手榴弾投擲能力の向上
4.戦士として必要な総合的な戦技能力及び体力・気力の向上
5.剛健の精神に基づく不撓不屈の気力・体力の醸成

また、藤山武装障害走の基本的考え方については以下の3点があります。
1.各種人工・天然障害を乗り越えて敵陣地に接近し、敵兵を射撃し、陣内に侵入して手榴弾を投擲して目標を制圧し、無事に任務を完遂して帰還させる。

2.実弾射撃を伴う武装障害走路を克服させるにあたり、より高い目標を設定させ、これを達成させることにより、克己心を体現させ、剛健の精神に基づく不撓不屈の気力・体力を養成するとともに幹部自衛官としての自信を付与する。

3.走破後に倒れ込むような態度は許さず、苦しくても毅然とした態度を保持させることにより、高潔の精神に基づく幹部としての矜持を涵養させる。

陸自幹候校!武装障害走コースの概要


コースとしては囲壁から始まり、ロープ登坂→断崖飛び降り→三角対戦車障害
→対戦車豪→対戦車断崖→屈伸障害→低鉄条網→丸太枠→ロープ渡り→林間丸太
→水平梯子→小流飛び越し→網梯子→敵前ほふく→射撃→ジグザグ丸太→堤防渡り
→手りゅう弾投擲→決勝点(ゴール)

となります。主要な点を少しばかり紹介したいと思います。

囲壁



ここで躓くと、ゴールまで引きずる事になりますので、
スピードとトップを取らなければなりません。

また、銃床が引っかかる恐れがあるので超える際は、
銃床をしっかりと引いてから越えましょう。
とにかくスピード重視です。

ロープ登坂


住民の応援もあります。

囲壁と同じく、ここまでもトップを取らなければゴールまで響きます。
とにかくスピード重視です。

この時ギャラリー(美女)からの声援があるのでうれしいかったです。

断崖飛び降り



結構深いです。2.5mはあるんじゃないでしょうか?
最初は躊躇しますが、ここも勢いよく飛び降りて、
その勢いで這い上がれば難なくクリアできます。

低鉄条網


おそらく全自衛隊の中でも一番低い鉄条網ではないでしょうか。

出る頃には砂まみれです。口の中まで・・

このように水筒が引っかかったら大変です。時間のロスです。

ここから全力でダッシュです。めちゃめちゃキツイ(-_-;)

ロープ渡り


途中の民間の方からの応援は元気をもらえます。

バランス重視です。ここでライバルと差をつけれます。

命綱なんてありません。落ちたら恐怖で前に進めない人もいます。

林間丸太


手すりがあるとはいえ、雨の日はすごく滑って危ないんですよ。

ここでも、タイムを一気に縮められるチャンスです。

水平梯子


ここまで来るともうヘトヘトです。

最後まで渡り切らないと初めからやり直しです。

小流飛び越し


雨の日は濁流で足をすくわれます。危ないです。

この石段を飛び越えるだけでも体力の限界です。

小流飛び越しを進むと断崖を登らなくてはなりません。
体力は残っていません。気力のみ!

縄梯子


当初は鉄の梯子を上ります。

そして、揺れる縄梯子を下りていきます。

すぐに次へのステージへと猛ダッシュします。もちろん気力で!

射撃


射撃実施中の写真はさすがに公開はできませんが、
射撃後はまた、猛ダッシュで駆け抜けていきます。

ちなみに射撃が当たらなければペナルティがあります。
このペナルティを食らうと、大幅に時間のロスとなります。

ジグザグ丸太


意外に難しいジグザグ丸太。とにかく滑って落ちるんです。

コツは勢いよりも慎重に歩くことが重要です。

手りゅう弾投擲


看護学生の女子からの応援で元気が出ます。

最後のステージ、手りゅう弾で敵を制圧します。

コツはなるべく上に投げ、敵の頭上で爆破させる方が、敵の被害が大きいのです。

決勝点(ゴール)


最後の力を振り絞りゴールです。この際、何事もなかったかのように
清々しい顔でゴールしなければなりません。

ゴールしたらすぐに自らの装備品の点検です。武器の破損は死に繋がるからです。

任務完遂につき帰還


任務を完遂し、隊列を組んで上官に報告します。

報告後、銃の点検を実施し、再び次の任務の準備に当たります。

帰還の為、隊列を組み駆け足で進みます。

陸自幹候校!武装障害走!まとめ

いかがでしたでしょうか?
写真だけでは伝わらないところもありますが、世界一過酷なコースなので、
脳汁(エンドルフィン)がかなりの量で出ます。

この藤山武装障害走を乗り越えると、自衛官としての自信がつき、
学生たちの顔つきもガラリと変わります!

この記事のご意見はこちらからどうぞ